健一

クレオパトラの健一のレビュー・感想・評価

クレオパトラ(1963年製作の映画)
3.0
1963年 🇺🇸映画 カラー作品。

第36回アカデミー賞
撮影賞、美術賞、視覚効果賞、
衣装デザイン賞 受賞。

4時間4分の作品。長い。2晩に分けて鑑賞しました。
作品うんぬんよりも その製作過程の方が有名になってしまい、
『映画史上空前の失敗作』と言われている。

製作発表から劇場公開まで4年。撮影期間2年。
20万人以上のエキストラ、壮大な巨大セットに華麗な衣装。
出演エリザベス・テイラーの高額なギャラ。
製作費は4400万ドル。現貨換算で3億ドル以上! 「タイタニック」の1,5倍です。
製作会社の20世紀FOXは 倒産寸前にまで追い込まれました。

製作当初から災難は続き エリザベス・テイラーが病気でダウン、セットの作り直しによる撮影の遅れ、重要な配役の度重なる変更、その度にシーンの撮り直し。
さらに主演俳優同士の不倫騒動。
もう 波瀾万丈 滅茶苦茶 です。
監督はよくこの困難を乗り切ったと思う。作品の出来は別として。

本作の監督はジョセフ・L・マンキウィッツ。
現在Netflixで配信されている新作「Mank/マンク」の主人公ハーマン・J・マンキウィッツの実の弟。
兄貴の「マンク」じゃなくて弟を主人公にして本作の製作過程を映画化したほうが面白くなったのでは。

本作の興行収入は全世界で1億2000万ドルで そこそこのヒットを飛ばした。しかし製作会社20世紀FOXの取り分は2600万ドル。
製作費のほぼ半分しかなかった。
本作の2年後 FOXは「サウンド・オブ・ミュージック」を公開し 奇跡的な大ヒット!
このヒットのおかげでなんとか財務危機を乗り切った。
「サウンド・オブ・ミュージック」がなかったら今頃 20世紀FOXは無かったかもしれない。

という事で本作は・・・
お金がかかっているだけあって そこそこ見せてくれる。
ギリギリ スペクタクル超大作と言ってもいいのでは。
最大の見せ場はクレオパトラがローマにやって来るシーンでしょう!
数十分に及ぶこのシーンは圧巻!ホントに凄かった。
この作品で 一番やりたかったのは コレだろうと誰もが思うはず。
ただ全体的には クレオパトラというゴーマンチキ女のやりたい放題、贅沢三昧の連続。
大勢のエキストラと壮大なセット、大道具を使ったバトルシーンがあるのかと思いきや そんなにない。
この内容で4時間は正直ツライ!
結局 本作で何がしたかったのか?
あまり 伝わらず 終わってしまった。

昔から気になっていた作品だったが、なかなか手が出せなかった本作。
今となっては『よし、とりあえず 見た!』という
変な達成感しかない。😅



😷コロナパンデミック中に鑑賞😷
健一

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