なお

ファンタスティック・フォー:銀河の危機のなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

"四位一体"

2005年公開『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』の正式な続編。

前作の活躍により、世間から一躍”時の人”扱いを受けるファンタスティック・フォー(FF)の面々の前に、宇宙から新たなる脅威が迫る。
また、葬ったはずのドクター・ドゥームも死の淵から復活を遂げた。

正に宇宙規模までスケールがアップしたFFの活躍を、およそ90分と実にスリムな上映時間で描く。

✏️marry me!
前作から引き続き、全てのスーパーヒーローにつきものである「名声と栄光」そして「監視と束縛」を主に描く内容となっている。
晴れて人生のパートナーとなり、結婚式の段取りを進めようとするもうまく行かないリードとスーザン。

リードとスーザンは「平凡で普通の生活」を求めチームを解散しようとするが、そんな一方的・かつ半ば個人的な理由でチームを離脱しようとする二人を面白く思わないジョニーとベン。

また、FFの能力を強引に利用し、宇宙から飛来した脅威・<シルバーサーファー>から地球を守らせようとする軍部…

FFの4人がそれぞれ抱く「ジレンマ」が前作よりも肥大化しており、思わず感情移入せずにはいられなくなる。

✏️ドラマ
そんな「ジレンマ」を描く本作だが、ドラマ部分には若干雑な部分も目立つ。

・前作で悪行の限りを尽くしたドゥームは何のお咎めもなしでチームに合流?
そもそも、なぜシルバーサーファーの攻撃によって傷を治癒できたの?

・物語中盤、FFを軟禁した部屋のセキュリティがあまりにもザル。
カギもかかっていない部屋で、見張りがたった一人って…
特殊能力を持った4人だぞ。

・仲違いしたはずのFF一行だが、なんだかぬるっとした感じで仲直り。
決定打となる事件やドラマがもう一押し欲しかった。

・ようやく決行されたリードとスーザンの結婚式…
のはずだが、謎の純和風なスタイルで行われている。
和風の割には神父様がいるし。アジア地域のファンに向けたサービスのつもりだろうか。

他にもツッコミを入れる余地がある”スキマ”がちらほら。

✏️最強チーム
とはいえ、最終対決でのFFたちの”四位一体”アクションはなかなか見ごたえアリ。
よくよく考えると、「攻撃力」「防御力」「機動性」の3能力を兼ね備えたスゴいチームだな、と再認識。

ジョニーに4人の能力を結集させ、ドゥームを打倒する流れは良かった。

☑️まとめ
前作ほどの意外性やドラマ的な完成度を超えることはなかったけれども、安定したクオリティ。
劇中ところどころに挟まれる「FFならでは」のウィットに富んだジョークも、いずれもこちらをクスリとさせてくれるもので満足度高め。

この4人で描かれるFFの活躍は本作でピリオドが打たれた。
ポスト・クレジット的なシーンでは、最終決戦にて散華したはずのシルバーサーファーが宇宙空間を漂っている様子が映されていたのだが…

彼らが持つ「ファンタスティックな」能力と意思は、2015年公開の問題作…リブート版へと引き継がれることになる。

🎬2022年鑑賞数:57(23)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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