のすけ

激突!ののすけのレビュー・感想・評価

激突!(1971年製作の映画)
4.1
フェイブルマンズの影響を受けてスピルバーグの初期作を見ようと選んだのがこれ

アメリカの田舎のハイウェイで主人公が煙をモクモクさせてるトレーラーを追い越したらそのトレーラーが追い越してきて…って話

めっちゃシンプルな題材やけど、演出がすごくてずっと見てられる

まず、トレーラーの運転手の顔が映されない
映画が終わるまでトレーラーの運転手は一切見えない
途中、主人公はサービスエリア的なカフェに逃げ込むんやけど、主人公はそのトレーラーもそのカフェに止まっていることに気づく
主人公は運転手は誰かと探すけど、疑う奴全員違う
だけど、トレーラーはまだ動き出す
この一連のシークエンスでトレーラーの運転手の存在が否定される
これは本当に運転手が乗っていない訳ではなくて、主人公、見ている人にとっての認識上のトレーラーの運転手の存在が否定されたってこと
トレーラーはそれ自身が生きている動物みたいに描かれる
最後に崖から落ちる時も爆発せずに転がり落ちる
なんなら恐竜みたいな鳴き声まで入れられている

これに加えて
トレーラーが主人公の車の前につけた時にトレーラーの煙がモクモクしてるのとかが主人公のイライラとか不快感を視覚的に分かるようにしてたり

演出面で工夫がめちゃくちゃ施されてて
スピルバーグあっぱれ作品でした
のすけ

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