Eyesworth

激突!のEyesworthのレビュー・感想・評価

激突!(1971年製作の映画)
4.8
【殺人タンクローリーにご注意】

スティーブン・スピルバーグ監督の記念すべき長編デビュー作である煽り運転スリラー。

〈あらすじ〉
カリフォルニア州。車を南へ走らせ商談に向かうセールスマンのデイヴィッドは走行中に大型タンクローリー車を追い越したところ、殺意に満ちたその車に執拗に追い回される羽目になる…。

〈所感〉
すごい!デビュー作でこんなに面白いのって、スピルバーグかタランティーノくらいではないか。内容は最悪の煽り・危険運転を犯すタンクローリーに終始襲われる男の顛末を描いただけ!と一辺倒ながらも、90分ずっとスリル満点の逃避劇が見られて終始ハラハラドキドキ、時にイライラさせられた。というのも、もし自分が彼の立場だったら本当に気が気じゃなく、生きた心地がしないだろうなと思うため。なんで善良な市民の俺がこんな理不尽に合わなきゃいけないんだ!と本作のデイヴィッドのように本気で思うんだろうな。前半の追い越し追い越されが兎に角リアルで怖い。後半はもはやタンクローリーというかただの殺人マシンと化していた。敵のタンクローリーの運転手の顔が最後までわからないのが不穏で怖すぎた。そのため、人というよりも、まるで意思を持った車に恨まれて地獄の底まで追われているような猟奇的な気分すら達する。後半は展開があからさまでちょっとダレるが、あのラストはもうそれしかないってオチ(落ち)でもう最高だった。スピルバーグファンなら絶対みるべき、そうでなくてもエンタメアクション映画の出発点的本作は見ておいて損はないと思います。道端でタンクローリーを見かけたらもう怖くて近づけなくなりそうです。笑
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