しゅん

銀座化粧のしゅんのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
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花井蘭子演じる静江の登場以降ぐっと面白くなる。彼女がトリックスターとして場をかき乱し、ストーリーにテコを加えて新たな展開を生み出す。

笑いのさりげない挟み込み方がとても巧い。コミカルな場面が全体に流れる哀感を塞きとめることなしに、軽快なリズムを作り出していた。ふじむらの詩集…。

一瞬の視線の動きで嫉妬や戸惑いを表現する田中絹代の演技は文句なしに素晴らしかった。光の届かない小さな星々と、ケバケバしい銀座の奥に隠れた人々の心情を重ねたセリフはとてもよかったなぁ。はる坊の大根芝居はご愛嬌。
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