星降る夜にあの場所で

早春の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.7
ここに来て、「牯嶺街少年殺人事件」クラスのどえらい作品が【ポーランド映画祭2017】で、デジタルリマスター上映されるようですね。
本作以外も秀・傑作ゴロゴロ。

ド傑作☆
見所をあげたらキリがないのだが、それでもやはり記しておきたいのが、あのホーキングやノイマンですら導き出せたかどうかのダイヤモンド抽出における驚愕の方程式。
これ、ホントたまげます!

何度かあるプールでの演出の中で、ラスト数分は名シーンとして有名だが、とあるパネルを使用したプールとのコラボが泣ける。
抑えきれずに湧き上がる青春の性欲を一時的に満たすための行為なのだが、エロいというより美しく神々しさすら感じる。
所謂映画的な運動とショットが散在していて、次から次へとテンポよく秀逸にエピソードが連なっているので、たるい部分皆無で延々と面白さが持続する。

さて、本作は東京での上映で終わってしまうのか?
私は関東住みなので何作か鑑賞できたが、例えば明日で終幕の東京国際映画祭等の関東限定映画祭(また逆に地方で開催される映画祭もしかり)を企画側の諸事情は置いといて、全国の劇場もしくはネットでも鑑賞できるシステムなど現在の技術をもってすればたやすい事であるはず。
このご時世で気軽に観に行ける場所とそうでない場所があること自体、不思議でならないと思うのは私だけではないだろう。
現場で放たれる強烈な熱量までは体感できないが、日本各地で催されるその土地ならではの伝統的なお祭りですらネットやテレビで観ることができるのだから…