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早春のroppuのネタバレレビュー・内容・結末

早春(1970年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

危ない映画、泣かす、演出もわかりやすい、芸術じゃん、映画芸術じゃんよ。

そもそも大衆風呂場ってのがエロい、しかもやはりその職場では暗黙のうちにエロ館になってるのだからやっぱり。

とは言っても、直接的にエロスを描いたシーンはそう多くない。
鏡で中を覗くシーンがあるが、あれはむしろ少年の好奇心や嫉妬心の見せ方であり、エロいシーンではない。

じゃあどこがエロいか。見せない、ということに限る。

ファッションデザイナーのようなやつらは、ヌードよりも服を着て身体を強調させ、見せないということで、人間のフィジカルを研究し、(主に)女性の立場向上運動を、エロさを見出してきた節があるが、この全てを見せないショットたちは、それに似ているのかも知れない。

射精やセックス、または官能的な声や表情、いやむしろ胸を出すシーンすら最低限見せないことで、この映画のエロティシズムや、脱童貞、思春期の少年の感情やそれに伴うロスを表現している。

水をモチイフにした映画ってのはたくさんあるけど、しかし美しい映画でしたよ。爆泣きだよね最後
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