TSUBASA

早春のTSUBASAのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
3.8
【恋の病に溺れる青年】80点
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監督:イエジー・スコリモフスキ
製作国:イギリス/ドイツ
ジャンル:恋愛
収録時間:92分
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発掘良品第62弾。
これは中々面白い映画でした。早春とは春のはじめの頃を指す言葉ですが、これに関しては「早すぎた青春」を意味するような気もしました。15歳の青年が年上の女性に恋心を抱くものの、その現実は目を覆いたくなるようなもの。自分に振り向いてほしい、自分を好きになってほしい、という恋愛に不慣れな青年の行為にはちょっとクスッと笑えてしまうでしょう。誰かを好きになったことのある人ならばどことなく彼に共感できるところがあるのではないでしょうか。

15歳のマイクは、ロンドンの公衆浴場でバイトをし始める。そこで働く年上の女性であるスーザンに、次第に恋心を抱いていくのだが。。

まずこの公衆浴場が面白い。公衆浴場なのですが、実態はソープみたいなものになっておりこれにはマイクもドン引きしてしまいます。何せ女性客がそういうのを求めてくるわけですから、マイクもどうすれば良いかわかりません。そうこうしている内にそこで働くスーザンに恋心を抱きますが、このスーザンも曲者であり、15歳の青年から見るとあまりにも辛い現実を見せてきます。婚約者がいるにも関わらずその気にさせるスーザン。八方美人というやつでしょうか、モテる人は時には罪深き人にもなってしまいます笑

次第に精神が崩壊していくマイクはストーカー まがいのようなことをし始めていきます。スーザンと婚約者が建物から出てくるまでひたすら売店のホットドッグを買っては食べるシーンは最早カオス。まさに一心不乱。他のことが全く見えなくなるという恋の病であります。彼の甘酸っぱい恋愛劇はどういう方向にいくのか。。

デジタルリマスター化されて、どうやら今年リバイバル上映されていた模様。およそ50年前の映画と思えないほど映像が鮮やかに蘇っており、最初から名作臭がしていました。発掘良品の中でもイチオシの作品と言えましょう。