TSUTAYA那覇新都心の覚醒

ナビィの恋のTSUTAYA那覇新都心の覚醒のレビュー・感想・評価

ナビィの恋(1999年製作の映画)
4.0
去る12月6日に、沖縄を代表する名女優、平良とみさんがお亡くなりになりました。

平良とみさんと言えば、「ちゅらさん」や「涙そうそう」への出演で、「沖縄のオバァ」としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

そんな平良とみさんを私が初めて知ったのが、今作「ナビィの恋」でした。

沖縄映画としては異例の大ヒット作となり、当時開業したばかりのシネコンではなく、地元百貨店(パレット久茂地)の小さな劇場に母親に連れられて見に行きました。

観客の9割が、アラウンド60のオバァ達でしたね〜。あの狭い密室の中の湿った匂いと暑さ、今でもハッキリ覚えています。


物語の舞台は、沖縄県・粟国島。
里帰りした主人公の祖母(平良とみ)が、かつて島を追放された恋人の帰省に、胸を高鳴らせちゃって、周りを巻き込んでスッタモンダしちゃうお話です(ざっくり)

初めて観た当時、まだ小学生だった私は、
「年寄りが恋って何か嫌だ〜」なんて思っちゃったんですね。

特に、平良とみさん演じるオバァの夫役が、登川誠仁さんという、沖縄のチャーミングなオジィと言えばこの人を置いて他にない!という位、役にハマっていたので、当時はオバァに対してイラッとしてしまったんですよね〜「オジィが可哀想さー!」って(笑)。

だけど、ラストシーンでは、なんかもう色々と許せちゃうような、許さざるをえないような、そんなオジィとオバァのやり取りが、子供心にもグッと来たんですよね…。

20歳の頃に再度鑑賞した時は、数十年ぶりの恋に胸躍らせるオバァが堪らなく可愛くて、だけどやっぱりオジィが可哀想で、みんな引っくるめて幸せになってよ〜!って、後半はずっと泣いていました。

「愛してるランドに、行ってくるさ〜ね〜」

少女のように、無邪気に手を振ったオバァの笑顔、ずっとずっと、忘れません。

平良とみさん、長年の女優人生、お疲れ様でした。
あなたのようなチャーミングなオバァ目指して、沖縄の隅っこで頑張るさ〜。