こたつむり

ワイルド・スピード MAXのこたつむりのレビュー・感想・評価

ワイルド・スピード MAX(2009年製作の映画)
3.4
★ てめェの頭ぁ…
  潰れたトマトみてーにしてくれんゾ…?

フィーリング重視の頭スポンジ映画第4弾。
…だと思っていたら、今回は大真面目。
復讐に身を焦がす男の物語でした。前回までの作風が『マガジン』だとしたら、今回は『ヤングジャンプ』。出版社(ノリ)が違います。

しかし、それも仕方がない話です。
何しろ、今回の主人公は《ドミニク》。脛に傷を持つ彼を中心に据えた時点で「根っからの犯罪者ではない」と釈明しなければならないのです。うん。窮屈な社会ですね。

それが顕著なのがスタッフロールの一文。
「本作はフィクションだから真似しないでね(はぁと)」的なメッセージは、作品の余韻に水を掛けられたみたいで溜息が止まりません。そもそも、本作を真似する××は文字なんて読めない(以下自粛)

何はともあれ、そんな事情を考慮しても。
おバカ成分(※)が足りないから盛り上がらないわけで。言うならば「連載当初はギャグが多かったのに、物語が進むにつれてバトル一辺倒になったマンガ」のような感じで寂しい限り。

でも、男と男の間に流れる空気(とても熱いもの)はキッチリと踏まえているのですよ。第一作目を鑑賞していれば「早すぎる」の台詞にニヤリと出来るのも心憎いところ。いやぁ。言葉を必要としない間柄って最高ですね。

これは前作から続投しているジャスティン・リン監督の功績。やはり、押さえるべき場所は押さえているから、シリアス一辺倒の物語でも成り立つのでしょう。

まあ、そんなわけで。
おバカ成分控えめ…ということで一般層に訴求しやすい作品ですが、それでも倫理的に首を捻る部分はありますので、感性主体で楽しむことをオススメします。

最後に余談として。
主人公たちはクルマが好きでもガンガンとぶつけますが、この辺りは“お国柄”なのでしょうか。前作の舞台は日本だったので違和感ばかりでしたが、本作の舞台はアメリカ(一部メキシコ)なので“普通の光景”に思えますからね。

To be continued… →→→ 
  『ワイルドスピードMEGAMAX』

※ おバカ成分=グンバツの女+音楽+クルマ
  と考えると、本作の場合、ガル・ガドット
  =女性エキストラ100人分なのかも。
こたつむり

こたつむり