タマル

極道戦国志 不動のタマルのレビュー・感想・評価

極道戦国志 不動(1996年製作の映画)
5.0
※下品につき閲覧注意※










【花電車】
ストリップなどで行われる女性器を使ったパフォーマンス。花芸とも言う。主な芸としては、生け花、習字、吹き矢、ラッパなど。(wiki調べ)
本作ではこのうちの「吹き矢」を使って暗殺を行うアサシン(女子高生かつ両性具有)が登場する。この暗殺方法は海外のサイトでは「膣ダーツ」と訳されており、うまいこと考える奴もいるもんだと感心した。

と、この書き出しからも分かる通り、本作は凄まじい下ネタと凄まじいヴァイオレンスからなる凶悪な映画である。“Fudoh: The New Generation”として翻訳輸出され、ヨーロッパ圏で一部から熱狂的に受け入れられたらしい。海外のレビューからまた引用するなら「『不動』はいい映画だ。しかし、ほとんどの人には向いていない」。 カルト映画としては最高の褒め言葉が与えられている。結果として本作はポルト国際映画祭で審査員特別賞を受賞するに至り、三池崇史の名を知らしめるのに一役買った。
私は上述した評価からいえば、「ほとんどの人」に当て嵌まらない稀有な例であった。三池崇史がどれほど日本の映像業界で評価され、膨大な仕事を依頼され、また本人がそれを喜ばしくこなしていたとしても、このカルトムービーに魅了された私にとっての三池監督は、変わらず『不動』の人である。忘れがたい強烈なキャラクター達と、やりすぎ残虐描写。彼を「不動の人」だと思いこめているうちは、私にとっての「今の日本映画を代表する監督」は三池崇史なのだ。
そりゃたしかに、現状は『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』とかいうわけわからん女児向け特撮ドラマの総監督をやっているかもしれない。 「ヴァイオレンスもホラーも全然好きじゃない」と愕然としてしまう発言もしている。しかし、私はそれでも三池崇史に絶望したりはしない。必ずどこかで大コケして、またvシネのぶっとび残酷映画の世界に戻ってきてくれると信じている!
そして、上述した女児特撮は大好評に応えての3作目にあたるらしいが、今度こそコケてくれるんじゃないかと期待している! 女児達よ、正気に戻ってくれ!! これを監督してる男は(良い意味で)鬼畜だぞ!!!

最後に、三池監督が私たちに向け、一番初めに発したメッセージを引用して、このレビューを終わることとする。



警告
この映画は、映画管理委員会により「成人映画」指定を受けた公序良俗に反する作品である。
この暗闇の中で、密やかに、そして冷静に鑑賞すべし。
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