ShojiIkura

シリアナのShojiIkuraのレビュー・感想・評価

シリアナ(2005年製作の映画)
3.4
 いやー難しかった。基本登場人物それぞれのストーリーが同時進行する群雄劇なのだが、大抵そういうのは最後には一つにまとまるものなのに、この映画はいくつかの終着点しか交わらない。超リッチな王子から港湾労働者、贅沢三昧のパーティーから一人一床も与えられない寝床、ビジネスマンから諜報部員。世界観の振り幅が大きすぎてつかめない。その中でいろいろな思惑がうごめくが、どれもこれもどす黒さが見えかくれする。最後に実話ではない、とことわっているが、元CIA諜報員からの話を元に…とあることを見ると、実情だととらえた方がいいだろう。でないと、こんなシリアスな話しはドラマとして面白くはない。実情はこうなんだと暴く映画と思えば、難解さと不快さを堪えて観る価値があるだろう。
 僕は、もう一度観ろと言われたら断る。
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