目指すは自国の利益の追求。そこには、国を発展させよう、人々の生活を豊かにしようなどの「志」が入り込む余地はまったくない…。
これがアメリカのやり方。冷戦時代に中南米で行っていた数々の工作行為と構造は同じ。同時に、こういう映画を作れるところが、アメリカの健全さ、懐の深さでもある。
CIA幹部の「彼は悪人よ」の一言が恐ろしい。善か悪か。多面的な人や物事を単純に決めつける。近年、その傾向が加速していることに懸念。
説明セリフは一切なく、観やすいとは言い難いが、数年に一回見直して社会のあり方を考えたくなる秀作。