平田一

シリアナの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

シリアナ(2005年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

桁違いの面白さ。

当時中学生の頃、映画館で拝見できて、以来ずっと頭のなかに残り続ける作品です(友達に熱弁したら、ドン引きされた思い出もw)。

「石油」「陰謀」「人身(心)掌握」…理想の世界を構築しようと暗躍する人間たちと、翻弄されて殉死の道やテロ行為へ至る過程。大人になって拝見すると、恐ろしさがさらに上がって、今と何ら変わっていない世界の図式を見た気分…特に貧しい男の子(?)が貧富の格差に怒っていたり、信教を悪用されてテロリストになる過程は、暗躍者に腹が立ったし、何より悲劇というしかない。

最近も上級国民(?)の理不尽な一件や、ディズニーのFOX子会社がもたらしたリストラ(いい例かは別として)と、今もまるでこの社会は悪いジョークのような様。出口すら見えない迷路にずーっと迷っているみたいで、果たして終わりは来るんだろうか?それか見つけられるのか?見てる最中、思考放棄が出来ないくらいに"考えた"。

これほど思考を逃れられない映画というのは珍しい。しかもそれをやっていたのがハリウッドという事実(笑)。

クルーニーがプラマーに辿り着くのも納得できて、あらゆる要素が最終的に結び付くのもただ驚異。日本だったらこの脚本を捌ける人っていないだろ…。
平田一

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