原題を意訳すると「頭の中で捏ねくり回すだけの愛が何の役に立つの?」ある意味引き金になる作中の台詞で、詩を否定する一節すら詩的なのもドイツっぽい。舞台は好景気が下火になるちょっと前(1927年)のベルリン。パウルは友人ギュンターらと、アカだの緑の妖精だの何でもありな青春を謳歌する…ベースになった事件について調べるのは鑑賞後で良いと思う。
台詞外の演技が役者全員ハイレベル。アウグスト・ディールの素面でも据わってる目!大きな出来事が終わり、良かれ悪しかれ新しい何かを予感させる凪の時代というのは、無意識下に人を退廃に向かわせるのかな。絶対的なものに対する憧れみたいなものはちょっと共感。映像・音楽・台詞どれも視野狭窄な若者ならではの浮遊感があって良かった。特に言葉が美しいんだよなー。