完全犯罪の綻びを咄嗟の機転とアイデアで切り抜ける、罪人目線のサスペンスが主な前半パートと、警官や推理小説家視点で、事件の再検証が行われる後半パートで、面白さの種類が変化していく展開が面白く、個人の思い込みがアリバイの穴、もしくは冤罪の払拭に繋がる脚本が良い。
限定空間故の変わり映えの無さはあるものの、グレース・ケリーが死刑判決を受ける描写のライティングはイケてるし、未遂に終わる殺人描写も、パキッとした画面が決まっていてかっこいい。
翻訳の都合か、舞台作品を元にした映画だからか分からないが、周辺描写を台詞で処理する情報量の詰め方や、まどろっこしい言い回しが好みではなく、100%肯定できないのが正直な所だが、オーソドックスなサスペンス・ミステリーという感じで、手堅く面白い作品ではあった。