桃子

ダイヤルMを廻せ!の桃子のレビュー・感想・評価

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)
4.3
「latchkey」

実を言うと、1988年に公開されたリメイクの方を以前に見たことがある。マイケル・ダグラス主演の「ダイヤルM」である。もう内容は覚えていないので全く問題なかった。
原作は舞台劇だそうである。原作者本人が脚本を書いているとのことなので、内容はほぼ原作どおりなのだろう。実際、映画を見て唸ってしまった。本当によく出来ている。完全犯罪は成立するわけがないのだ。あんな美人で素敵な奥様を殺そうとする旦那様、怖すぎる!!!
旦那様を演じているのはレイ・ミランド、奥様はグレース・ケリーである。ミランドは全く知らなかったのだけれど「カンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞と米国アカデミー賞主演男優賞の両方を受賞した初めての俳優さん」だそうである。グレース・ケリーの美しさは相も変わらずだった。夫の罠にかかって、どんどん追い詰められていく様子が可哀想すぎて胸に迫ってくる。監督のお気に入り女優さんだったんだろうなあと改めて納得してしまった。
重要な鍵になるアイテムが、文字通り作中に登場する部屋の鍵である。「latchkey」と言うらしい。よくホテルの部屋に使われていて、出る時は持っていかないとNGの鍵。ドアが閉まると自動的にロックされてしまうのだ。この鍵には思い出があって、新婚旅行でスペインに行った時、夫がこれをやらかした。鍵がないと部屋に入れない。夫は英語がダメなので、私にフロントに行って合鍵をもらってきてくれと頼んだ。仕方ないので行ってもらってきた覚えがある。下着いっちょうじゃなかったのでよかったけど…
鍵に注目したハバード警部が、事件を解決に導いていく。実にすかっと爽やかなエンディングである。警部を演じている俳優さんの名前を見てびっくりした。ジョン・ウィリアムズっていうのか!プロフィールを見に行ったら、名前の隣に(俳優)と追記されていた。映画音楽で有名な方のジョン・ウィリアムズには(作曲家)と書いてあった。映画業界にも同姓同名の人はいるわけだ。彼は、この映画の他にも「パラダイン夫人の恋」や「泥棒成金」にも出演しているようなので、是非見てみたい。「情婦」にも出ていたとわかったのだけれど、どこに出ていたっけ?あー、そうか、ウィルフリッドのパートナーの弁護士さんか!脇役さんの容姿は地味だから印象が薄い。でも今回、名前をしっかり覚えたので、これは収穫だった(^^)
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