円柱野郎

ダイヤルMを廻せ!の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ヒッチコックの代表作。
妻の浮気を知った夫が、男を雇って妻の殺人計画を実行するが、事態は計画と違う方向へ進んでいく。

元々が舞台劇ということもあって、ほとんど主人公の家の中だけで事態は進んでいく。
状況の説明にしても、基本的に会話劇として進行するので観る方は割と集中力を求められるかなあ?

ストーリーとしてはまず不倫した妻がいて、その事実を知った夫が妻殺しを計画する為に、どうしても陥れられる妻側に同情してしまいがち。
元々悪いのは誰よ?と思わなくもないが、夫の謀略はまあダメだわな。
まあ、それはそれとしても夫が“策士策におぼれる”様子は見どころであるし、いかにもイギリス紳士といった警部の見事な采配で解決する終盤はお見事だと思う。

作品としては1954年当時にアナグリフ式の3D映画として制作されているのだけど、奥行きを意識した構図が多くて落ち着いて見られる。
逆にタイトルなどを除くと飛び出す演出はほとんどなくて、一か所、首を絞められた妻が伸ばす手が画面から手前に飛び出す様に見せているね。
その場面にしか飛び出しを使わなかったのは、ヒッチコックは明らかに衝撃を意図してるよな。
ただ、そこを除けばあえて3Dでなくても…2D作品として完成された内容でもあるとも思うね。
円柱野郎

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