シカゴ暗黒街の一匹狼ブル・ウィード(ジョージ・バンクロフト)は酔っ払いロールス・ロイス(クライヴ・ブルック)の人間性を買って、元弁護士の彼を更生させる。やがてブルの愛人フェザース(イヴリン・ブレント)とロールスが惹かれ合うようになるが、そんな中、ブルは仇敵のギャングを射殺して死刑宣告を受けてしまう。
マレーネ・ディートリヒとのコンビ作が多いジョセフ・フォン・スタンバーグ監督のサイレント作品。
史上初のギャング映画と言われているらしいが、確かに銃撃に裏切りに復讐、計略と嫉妬という後のギャング映画に登場する要素がすべて揃っていた。
ジェームズ・キャグニーやエドワード・G・ロビンソンの映画で観たようなシーンの連続だ。
特に、ブルとその愛人と、彼に救われたロールスとの三角関係が物語を動かし、さらにそれを超える恩義と友情で行動するクライマックスにはアツくなる。
ただ、ギャングのブル・ウィードにカリスマ性を感じられなかったのは残念だ。