ひでやん

偽牧師のひでやんのレビュー・感想・評価

偽牧師(1923年製作の映画)
4.1
牧師の服を盗んだ脱獄囚チャーリーが、お得意の成り済ましで繰り広げる大騒動。

行く先を適当に指差したチャーリーが汽車に乗る序盤でもう心を掴まれた。たどり着いた村で新任牧師と間違われ、教会で説教をする羽目に。

長回しで見せるパントマイムはコミカルだが、その姿は善の皮を被った悪。罪人が対極にある牧師に化けるのが面白い。

悪戯する子供とそれを止める大人の攻防戦。金を奪おうとする男とそれを阻止する男の攻防戦。そのピタリと息の合ったドタバタ劇は洗練された格別のコメディだった。

本作がチャップリンと共演した最後の作品となったエドナ・パーヴィアンス。毎度お馴染みのヒロイン役なので、エドナが登場した瞬間、恋愛フラグが立つ。

善の皮を被った悪の心は、愛によって改心。法の外へ向かわせる警官にほっこりしていると、法の中へ戻ってくる正直者に大笑い。馬鹿がつくほどの正直者が国境を歩く姿が最高だった。
ひでやん

ひでやん