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猿の惑星のmatchypotterのレビュー・感想・評価

猿の惑星(1968年製作の映画)
3.8
『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』『チャイルドプレイ』『007』『男はつらいよ』など、“ご長寿の映画”に手を出し始め、これらが軌道に乗ってきたと思ったら、また性懲りも無く新たな門を開いてしまう。
“ご長寿の映画”、これはもう無限ゾーンだな。

『猿の惑星』、1968年の映画。
何回も観てるが、55年ぐらい前に既にこの特殊メイクのクオリティ、観る度に毎回驚愕する。

そして、毎回、この猿人のジーラが毅然として好奇心に溢れる公正な科学の探究者としてとても魅力的な存在に思える。

チャールトンヘストンも“猿の惑星”に迷い込む人類代表として、猿人という圧倒的なキャラクターを前にしても確実な存在感と爪痕を残せる名優。

宇宙を光速で探索する宇宙飛行士、地球を飛び立って700年分。
不時着した星は、なんと人類と猿の立場がまったく逆転している惑星だった。

猿人の方が言葉を話し、猿人の生活や食糧を食い荒らし害獣のように扱われる人間。

民主主義、裁判、農耕、畜産、宗教、ありとあらゆる文化や風習が、人間のそれであり、完全に立場が逆転している世界。

この世界観で描かれるあれこれがいかに普段のあるべき人類が、人類よがりで傲慢か、不都合を歪め真実を都合よく隠すこともある生物か、がとてもよく伝わってくる。

もともとそんな人類の先端であった宇宙飛行士が、猿が最先端の世界に迷い込み、猿と軋轢を起こし、理解者も得つつ、自分の存在を確立する、そんな映画。

、、、そして、この結末。有名すぎる結末。
初めて観た時は本当に彼と一緒に愕然とした。

言葉を話せない人類の中で、彼に常に付き添う人類の女性、テイラーに“ノバ”と名付けられる彼女。
本当にまったくセリフがないのに、人類の本能と知恵の始まりみたいなのを体現する存在としてすごく重要なキャラクター。

言葉を話し支配する猿に愕然とする人間と、支配してたはずの人間に言葉を話し知恵を持って糾弾されることに愕然とする猿の衝撃的な作品。

めちゃくちゃ画期的な映画。
もはやこれは映画史に残るレジェンドシリーズの幕開け。


F:1819
M:22288
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