コーカサス

男はつらいよ 寅次郎真実一路のコーカサスのレビュー・感想・評価

4.6
軌条なくとも路は真実へ 第34作。

証券マン富永(米倉)が行方不明となり、寅さんは妻ふじ子(大原)と鹿児島へ。
人妻に恋心を抱いてしまった罪悪感と、いつしか「夫が帰ってこなければいい」そんな事を心のどこかで願っている自分への恐ろしさに気付き苦しむ寅次郎。
「自分の醜さに苦しむ人間はもう醜くはありません」そう諭す博の言葉が重い。
しかし、前22作の「寅さんスキよ」に続き、本作でも宿を別にした寅さんに「つまんない寅さん」だなんて、大原麗子の可愛さも罪である。これには『無法松の一生』を気取って「奥さん、俺は汚ねえ男です」と返すのが精一杯で…。
“レールのない” 線路をポンシュー(関)と二人で歩くラストシーンも良い。

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1996/8/9 1996/5/11 1991/10/2