ぽんぬふ

牯嶺街少年殺人事件のぽんぬふのレビュー・感想・評価

牯嶺街少年殺人事件(1991年製作の映画)
4.9
すごかった。ラスト30分くらいは身動きできなくなった。
ひとつひとつのショットは長めで、その時のその瞬間の空気をそのまま閉じ込めたかのような信じられない美しさだが、だからこそ浮き彫りになる時間の経過や人物の変化にスーは耐えられなかったのではないか。自分は何者でもなくこの世界も些事にすぎないと気づいてしまったというか。ミンの儚げな触れたら壊れそうな透明の美しさはまさにこの瞬間だけのものとしか思えない。
しかしエドワード・ヤンの引きのショットはなんなんだろう。全部すごいがオープニングの道からして傑作と思うし、ハニーが帰ってくる昼の小公園なんかも忘れられない。照明もあるのかな。Blu-rayの画質がめちゃ綺麗で、多分VHSで観たんじゃ印象が違っただろうとも思う。劇場公開楽しみ。
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