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男性と女性のameoのネタバレレビュー・内容・結末

男性と女性(1919年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

英国貴族のローム家。ローム伯爵(セオドア・ロバーツ)と、その娘メアリ(グロリア・スワンソン)とアガサ(ミルドレッド・リアドン)、伯爵のいとこアーネスト(レイモンド・ハットン)は、贅を尽くした生活に明け暮れている。

ローム家には執事クライトン(トーマス・ミーアン)や、召使トゥイーニー(リラ・リー)等が仕えており、トゥイーニーはクライトンを、クライトンは令嬢メアリを密かに慕っていた。

ある日、一家が船遊びに出かけると船が座礁してしまい、命からがら小島に辿り着く。島は無人島でサバイバルが始まり、執事クライトンは懸命に働くが、ローム家の人々は相変わらずの態度で生活力に乏しく、食料も満足に得られない。そして主従関係が徐々に逆転していくが。



監督はセシル・B・デミル。原作はJ.M. バリーの戯曲「あっぱれクライトン」(The Admirable Crichton, 1902年)。

「サンセット大通り」(1952年)を観て以来気になっていた映画で、デミル、スワンソン、執事、豪邸など共通点も多いので、そういった視点でも楽しめますし、この後、大作を次々と発表するデミル監督の初期作として、またスワンソンのサイレント期の演技など、見所の多い作品でした。

デミル監督の志向はこの作品でもうかがえて、豪邸の装飾や貴族の衣装の絢爛さ、船の座礁や島でのサバイバル、バビロン王を空想するスペクタクル、さらには開始早々スワンソンの入浴シーンまで見せるサービス精神。当時の人気も頷ける内容でした。

また、「サンセット大通り」でのスワンソンと脚本家役のウィリアム・ホールデンは、サイレントとトーキーの演技の対比と言われていましたが、この映画はまさにサイレント期の演技の妙を味わえる作品の一つなのだと思います。スワンソンの目力はやはり凄い。
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