肉体の冠の作品情報・感想・評価

「肉体の冠」に投稿された感想・評価

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Rの感想・評価

5.0
何て豊かな映画でしょう!ベッケル作品を見るたびに幸せを感じる不思議。こんなに哀しい恋愛話なのに。どの作品もベタっとした人間臭さが溢れてるからなんだろうなー。こんなに泥臭さを感じさせる映画を作ってる人、他にいないんじゃないかってくらい。本作の主人公は、ギャングの仲間たちとつるんでカフェで遊んでる娼婦のマリー。ロランというギャングの一人と手を取り合ってダンスする彼女を演じるのは、全体的に身体がゴツく、顔も全パーツでかくて、迫力満点のシモーヌシニョレ。今までこの人なんでそんな人気なんやろと不思議やったけど、本作を見てはじめてスゴイ魅力を持った人なんだと思った! ロランは彼女に気があるんだけど、彼女は音楽に合わせてクルクル回りながら、別の男に色目を送っている。このシーンのシニョレのあでやかなこと! 何ら力みのないリラックスした微笑から、くるりくるり動きに合わせて、美のオーラがふわっふわっと放たれる、礼讃すべきお色気ショット! 素晴らしい! それを受ける男はマンダと名乗り、ギャングの一員の親友で、もともとワルで服役したが、足を洗っていまは大工さんをしてる。ふたりはこの後ダンスを伴にして恋に落ち、嫉妬したロランはマンダに決闘を挑んでナイフ戦となり、その後警察に追われる身となってしまうのだが、彼らの動きを裏で巧みに操り、マリーを自分のものにしようと企む男がいた……という流れで、メインの恋のいざこざ話に関しては、いまの恋愛劇にはない不器用に直球な趣があってそれはそれで大変によろしいのだけれど、やっぱ見どころはさすがベッケル、脇役によって吹き込まれる映画の生命感、人情のドラマ、その躍動と奥行き。カフェで彼らの存在を煙たがるハイソな女たち、ソワソワ秘密裏に何かを行ってるらしいバーの若き店員、マンダの浮気にふて腐れる大工の棟梁の娘、出ていこうとするマンダにお金を与えようとする棟梁の無言の心意気、などなど、忘れ難いサブキャラによってベッケルが構築する人間感情の複雑さがほんとに素晴らしい! もちろん忘れてならないのがパン屋というあだ名の男とマンダの宿命的友情。最後に、画の美しさにもふたつだけ触れておきたい。マリーがボートを漕いで岸に上がり、眠れるマンダにイタズラするシーン。モーテルの窓から恋の運命の帰結を涙ながらに眺めるシーン。このふたつは、まるで歴史に刻まれたサイレント映画の名シーンのように、鮮やかな詩情が心に染みる。それ以外もすべてのシーンが、白く発光してるかのように記憶に焼きつく、小さなドラマの大いなる名作! メロドラマの頂点! すばらしい余韻から1ヶ月以上経った今も抜けられておりません! お勧めがなければ絶対見てなかっただろう。お勧めくださったお方、感謝感激っす!!! 今まで見た映画のトップに食い込んでくるくらい好きになった!!! というわけでとりあえずベストムービーに入れて数ヶ月ねかしてみます。何度も見たいのでBlu-ray化待望!!! お願い!!!
フランス任侠話で、主人公めっちゃセリフ少ないんだけど、顔で語りかけてる演技にしびれちゃったな〜カッコいいし

最初のダンスシーンで目線を交わし合うシーンエロ過ぎ!好き!
やっぱベッケルの作品好きだな。恋愛を描いても甘過ぎない。男同士の友情をベッケルの作品でわりと見てる気がするんだけど、温度感がちょうど良い。今回もレイモンとマンダの関係が良かったなー。マリー役のシモーヌ・シニョレがかわいい。

冒頭のギャングと娼婦たちが舟に乗って歌とともにやってくる場面とダンスの場面。男たちの女の扱いがダンスのスタイルで違うのも面白い。流れるようにダンスを撮る。ここだけ観てもどんな展開なのかは予測できないのが面白い。

ルカのファッションおしゃれだった。とても嫌な奴だけど。小道具の活かし方が素晴らしかった。時計、ナイフ、部屋履き、タバコと荷物や上着。特にナイフはいろんな使われ方してたなー。あとタバコの消し方。マンダとロランのチビたタバコの扱いが双方の性質を表してる。
ジャック・ベッケル監督の描く世界は素晴らしい✨
冒頭、男女が何台かのボートを漕ぐシーン、優雅なダンスシーンなどは本当に美しく、ベッケル監督の師匠ジャン・ルノワール監督から学んだことを実践しているかのようだ。

この映画、予備知識なしで観たのだが、意外な展開にビックリ。
序盤は「お~、大勢の男女がワルツで踊っているのが素晴らしい。恋物語が始まるのかな?」と思って観ていたら、確かに恋物語は始まるのだが、ひとりの女性(シモーヌ・シニョレ)をめぐって男2人が決闘になり殺人事件となり、だんだんと犯罪映画っぽくなっていく…。

この映画でやけに印象的だったのが「ホット・ワイン」。この時代のフランス人はワインを温めて飲んでいたようだが、今でも飲んでいるのだろうか…?
やたら美味しそうな感じがしたので、とても飲みたくなった(笑)

主演のシモーヌ・シニョレ、彼女が30歳前後の頃の作品のようだが、やや貫録あり過ぎな気がした。確かに美しく見えるものの…。

ラストはあまりにも衝撃的で、どうやっても頭にこびりついて離れないようなシーンだった!
ジャック・ベッケル監督作品。
娼婦のマリーは大工のマンダと出会い、二人は恋に落ちる。嫉妬したギャングのロランはマンダと決闘することになるが・・・という話。

決闘のシーンでの、二人の掴み合いで、顔を掴んでいたり、絞め技で苦悶の表情をする男の顔等をクローズアップで見せる等、バイオレンスシーンにハッとさせられた。最後の断頭台での刃が落ちるキレの良さにもびっくり。
髭を蓄えた男と男の友情を見せる。

マリー役のシモーヌ・シニョレの髪型がすごい。邦題の意味はあれか?
この邦題?なんなんだ!シモーヌを馬鹿にしているぜ。
ekn

eknの感想・評価

4.0
数秒ほどのラストショットは、二人が抱いた実現不可能な夢なのか、作り手による悲壮感の演出なのか、行く末を見守った観客たちの希望なのか。

ギャングの登場シーンが割と多いのにカードばかりしていてどんなキャラクターなのか全然分からないのがもったいない。動いたかと思えば囲うように突っ立ってるだけ。もっと見たかった。
授業でみた

売春婦の純情

ビンタ多
ストーリーは忘れたがSシニョレがとても美しくて素適が印象に残っている
Ricola

Ricolaの感想・評価

4.0
ジャック・ベッケルの巧みな心理描写と美しい自然の描写に圧倒される。

やはりこの監督の作品が好き。

娼婦のマリー(シモーヌ・シニョレ)は大工のマンダ(セルジュ・レジアニ)と恋に落ちる。しかし、マリーの恋人でギャングのロラン(ウィリアム・サバティエ)が嫉妬しマンダに決闘を挑む…。

人々の思惑や欲望が行き交い波乱ありのクライムムービーであり、切ないラブストーリーでもあった。

人物の顔のクロースアップで、的確に心理描写を捉えるのが印象的。

さらっと話は進むのだけど、ぎゅっと濃厚で緻密な心理描写が素晴らしい!

幸せそうなカップルが自然の中で楽しげな様子のキラキラ感と、緊迫するシーンとの緩急が素晴らしい。

特にラストシーンの主人公にとって走馬灯のようで、とても好きだった。
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