東京キネマ

バタフライ・エフェクト3/最後の選択の東京キネマのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

2でげんなりしたので、どうしようか迷ったんですが、結局観ることにしました。

大体シリーズもので、3を“ファイナル版”にした映画で面白かったためしがない。 まあ勢いだけで作ったんだろうなあ、と思いながら観始めたんだけど、これがなかなかどうして、とんでもなく面白い。

まず、1と2を観た人を前提に作っているってとこがいいですねえ。 だから、この3のキモは“外し”なんです。

今までのこのシリーズの規定値ってのは、とにかく歴史を変えないといけない、っていう設定条件があって、でも飛んでいったとしても結果がどうなるか解らない、それでも行くしかないだろう、ってのが動機付けになっていたんですね。 けど期待した結果はすんなり手に入らず、あっちが立てばこっちが立たずのコメディのエッセンスをサッド・ストーリーにするってのが基本設計だった訳です。

それを今回は連続殺人事件を解決するためのタイム・スリップということでサスペンスにしてるんですね。 ちょっと『デッドゾーン』の世界です。 うわあ、そうきたか、という感じです。 それも今回はタイム・スリップする度に “脳が破壊されるかも知れない” っていう縛りがあって、これが犯人探しを複雑にしているのです。

つまり、戻る度に犯人探しをしていくんですが、自分の記憶や推理に齟齬が生じてくる訳ですね。 なので、もしかしたら主人公自身が犯人じゃないか、ってニュアンスを持たせてる訳です。 それも犯人じゃないかってヤツを一人づつ潰していって、結局主人公しかいないってところに持っていきながら、もう一回ひねってどんでん返しで真犯人を探し出すのです。

主人公を犯人にするっていう結末も悪くはないと思うのですが、そうしなかったってところが脚本のセンスですね。 もし真犯人がいるとしたらこいつしかいないよな、ってところで結末を迎えるのですが、その真犯人も主人公と同じだけタイム・スリップしてる訳ですから、こいつの方が完全にイカレちゃってる訳ですよ。 このイカレっぷりが解るシーンは本当に鳥肌もんでした。いや~今思い出しても恐い~。

今回もスタッフ、キャスト総とっかえでやったってことは、恐らくプロデューサー・マターで企画に縛りを入れて作らせたんでしょうけど、こういった限定された条件の中でも、シナリオ・ライターもディレクターも本当に良い仕事をしています。

それに、複雑な話なのに90分ぴったりに物語をコンパクトにまとめているのもいいですね。 やっぱり商業映画は90分でキッチリまとめてくれないと。

全体的なトーンが貧乏ったらしかったり、なぜか一瞬エロとかスプラッターとか入るのがイマイチ解らないところではありますが、非常に良くできた映画です。 お話の面白さで言えばシリーズの中では一番なんじゃないでしょうか。

初期設定をデリートするっていうちゃぶ台返しも、やはりやり過ぎだとは思うんですけど、もう3回もやったらこれはこれでもうこの映画のスタイルだからね。 どうせやるんだったら、そういった “それをやっちゃおしまいよ” ってのは続けて欲しいもんです。

あと、これ “最後の選択” って言っちゃっていいのかな。 本編では全然完結してないし、いっくらでも続編作れるのに。 というより、このシリーズはどんどん作って欲しいですよね。 『ファイナル・ディスティネーション』シリーズと同じくらいずう~っと続編を見たい映画です。