勝ったのは農民だ

カジノの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

カジノ(1995年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【私のやり方だ。】

※今回も例によってネタバレがあります。
特に今回は、それを知らない方が絶対に楽しめるネタバレがあります。
未見の方は読まないことをオススメします。🙇🏻‍♂️


「やり方は3つある。

正しいやり方、間違ったやり方、私のやり方だ。」

ってのが、今作の有名な台詞として知っていましたけど、

実際に観てみると、

たいして山場でもない、部下のスロット主任への説教でサラッと口から出た言葉なのが意外でした。😅

しかも、「私のやり方だ。」

と言ってはいますが、傍若無人なキャラクターじゃなくて、

なんならスコセッシ監督×デ・ニーロ主演作にしちゃ、今まで観たことがないくらい

「正しくて共感しやすい主人公」

だとさえ思いました。🤔

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【“偉い奴が悪い“というより、“フェア・プレーじゃないと気が済まない“。】⚖️

福本伸行先生(代表作:『カイジ』など多数)の作家性を評した著名人の言葉ですけど、

「彼は別に
”金持ちが悪い”
ってことじゃなくて、
“フェア・プレーじゃないと気が済まない"
性格なんだ。」

という言葉を思い出しました。

つまり、金持ちでもちゃんと努力した上で金持ちになったのなら何の文句もないのでしょう。🤑

今作『カジノ』の主人公:サムは、もともとスポーツ賭博の予想屋でちゃんと努力&研究を重ねた上で当てていたんです。🎯


経営者になっても、身内が権力者なだけで就職出来たやる気の無い部下をちゃんとクビにします。
それによってトラブルに発展するわけですけど、彼の判断は間違ってないと思いました。

個人的に好きなのが、
細かいところですけど、

自分の店のレーズンのケーキを食べていて、
片方にレーズンが偏って入っていて、
もう片方に全然入っていないのを見て

料理人に「量を揃えろ」って指示をするところです。🍇

量を揃えるのに手間がかかると言うのなら、
「それなら最初からそんな料理を客に出すなよ」って話です。👨‍🍳

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【自分は最近、何が面白くて何がつまらないのか分からなくなってきたんですけど、なんか面白いです。😂】

あと、例によってスコセッシ監督作品は
コメディと音楽のセンスが良いですね。

どこか面白いシーンも沢山ありました。

⑴ヒロインの戻りを待つ間、警察官と会話をしているくだりのなんとも言えない雰囲気。
彼が警官と普通に話しているのが変な気分になりました。👮‍♀️

⑵読唇術を警戒して、口を隠して会話するくだり。👄

⑶FBIがポンコツで、飛行機がガス欠のくだり。🛩

⑷カジノでイカサマを見破るくだり。🤨

⑸盗聴されているのを覚悟で、僅かな隙を突いて電話で用件を伝えるくだり。📞


あと、音楽も全編通してセンスが良いんですが、🎶

自分が事前に知っていた曲だったこともあり、

・ローリング・ストーンズの「Gimme Shelter」

・「House Of The Rising Sun」(邦題「朝日のあたる家」)

がかかると、テンションがアガりました。⤴️

🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰🎰

【こんな母親は嫌だ。】

主人公:サムが恋をする女:ジンジャー。
シャロン・ストーンがキャスティングされている時点で、彼女が事態をかき乱すストーリー展開なのは観る前から容易に予想出来ていましたが、


とにかく、彼女の倫理観が滅茶苦茶でした。🤦🏻‍♂️

どんなに美人でも娘:エイミーの前で普通に麻薬を吸っていたり💊、娘をベッドに縛りつけるような🛌、母親は嫌ですね。

日本の映画ファンで「あんな母親は嫌だ」映画の人気投票をしたら、おそらく上位にくるでしょう。🗳


あと、以前から薄々感じていましたが、ジョー・ペシって背が小さいんですよね。😅
そのせいか今作『カジノ』では理不尽な暴力を振るっても、彼自身はあんまり怖くないんです。
つくづく『ホーム・アローン』の悪役って、彼のハマり役のひとつだったと思います。🏠


あと、終盤で彼ら2人も含めて、多くの人がバタバタと死んでいくくだりは、不謹慎ですけどスカッとします。😅

観終わってみると、この二人に足を引っ張られた主人公サム・ロススティーンの半生だったように思います。

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【スコセッシ監督のセンスの良さ】

自分のマーティン・スコセッシ監督作品の鑑賞は今作で9本目。
マフィア映画が大好きってわけじゃないこともあり、やっぱり1番大好きなのは『沈黙〜サイレンス〜』✝️です。

あれはマフィア映画じゃなくて宗教モノ路線の映画なので置いといて、

マフィア・ヤクザ映画の中では『アイリッシュ・マン』🇮🇪が1番好きでしたけど、今作『カジノ』は、おそらくそれと同じぐらい好きです。

自分の中では9作品の中で2位か3位です。


それ以外の

『タクシー・ドライバー』
『グッド・フェローズ』
『シャッター・アイランド』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

は(観た時の気分によって若干変わるでしょうけど、)スコアは3.5〜3.9くらいで、どれも好きな映画です。


『レイジング・ブル』と『キング・オブ・コメディ』はわけあって自分は嫌いです。


で、今作『カジノ』。🎲

自分は、スコセッシ監督作品にしては珍しくハッピーエンドな映画だと思いました。🎊


「スコセッシ監督は当時、映画館で『タクシー・ドライバー』🚕を観ていて、観客が拍手喝采していることにショックを受けた😩」らしいので、

もしかしたら今作も、自分は監督の意図と全然違うトンチンカンな理解をしているのかもしれませんけど、

とにかく今作は、

初めて「よかった、よかった。♨️」

って気分で終わりました。😃



「冒頭で爆殺されたと思わせておいて、実は生きていた」🔥

って完全にミスリードなんですけど、
むしろ、期待を裏切ってくれて良かったです。♨️😂


ただ、
これはスコセッシ監督の映画に限らず、やっぱり3時間は長いです。🕒

もちろん、映画は映画館で集中して観るのが1番正しいことなのは分かっていますけど、📽

こういう映画はAmazonプライム・ビデオで休みをとりながら何回かに分けて観るのが、💻

自分のやり方ですね。😅