ワンダフルライフの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「ワンダフルライフ」に投稿された感想・評価

【「選ばない」という責任の取り方・・・か・・・】

今になってみるとARATAや伊勢谷君、阿部サダヲ(チョイだけど・・・)など、そうそうたる面々をこれでもかというくらい淡々と映像に残した名作。

「あなたは亡くなりました。これから一週間の間に生きていた間の思い出を一つだけ選んでください。そしてその思い出だけを胸に天国へ旅立ってください」

こう言われたら、自分は一体どんな思い出を選ぶのだろう?恐らくこの映画を観た方の殆どが抱く感想ではないでしょうか?

この映画の登場人物も、あえて一般の方も多く参加したことで「ドキュメンタリー色」が出ていて、台詞ではない「普通の人」が発する言葉として伝わってきました。映画上は「死んだ人」となっていますが、彼らは生きているうちに「思い出の整理」を行いました。でも観ていてわかりますがとても簡単な作業であるとは言えません。一つに絞れない人、一つも無い人、思い出したくもない人、選ばない人・・・。

伊勢谷君が演じた、この「選ばない人」は気難しくて理屈っぽい青年の役でしたが、映画館で見た当時、年齢も近かったせいか非常に共感してしまいました。
一つだけを択ぶということは、それ以外の自分の人生を否定することになってしまう。それならば択ばないということで自分の人生に対する責任の取り方もあるのではないか?

やっぱり今考えると理屈っぽい。でもわかる。そういう人もいてもいいと思う。一つだけしか思い出を選ばないなんて・・・僕には出来ない。今そう思える僕は幸せ者なのだろうか。
なんだか全然邦画は観ないので、振り返ってみると、これまでで一番印象に残った邦画ナンバーワン。
死んだらどこ行くの?シリーズの中で、もっともファンタジーがなく、淡々と描かれるのが好きだった。
そんな日本の学校の校舎で撮影するなんて。。なんて夢がない。。
って、思うけど、
人生最高の瞬間を抱いてあちらの世界に行くっていうのは、とっても浪漫があって好きだなぁ。
生きてる中で、
あ、いまの瞬間!
もしワンダフルライフの世界があったら、この瞬間を撮ってもらおうって。
観賞後の人生ではよく思う。
是枝作品ではじめた作品。
ARATAと伊勢谷友介、設定はファンタジーなんですが、ヒューマンとも言える作品。
個人的にはになりますが、是枝作品ではこの作品が結構好きですね!

貴方の一番大切な思い出はなんですか?
すぐ答えられるかな🤔
まひわ

まひわの感想・評価

4.0
とても素敵な映画。冷たいけれど、冬の透明な空気に似ているような。朝日がその中を駆け抜けていく。

最初で亡くなった人たちそれぞれに話を聞いているところが人によっては長くて退屈だと思うかもしれないけども、個人的には良かった。案外自分にとっての幸せなんて外から見ればそういうちっぽけなものなんだな、それでいいんだって思えたので。

1番幸せな思い出をひとつだけ選ぶ。本当に難しいなと思う。それだけを抱えて永遠の時を過ごすのだから。逆を返すとその他には何もない。それだけを抱きしめてもいいと思えるようなもの。びっくりするくらい何もない。今からでも間に合うだろうか。

非常に穏やかな展開なので微妙かなと思い始めた矢先に職員たちの話が出てくる。そこから俄然面白くなった。思い出を選ぶことが出来なかったために残った人たち。何のためにこの仕事があるのか。生きているわけでも「死んでいるわけでも」なく、不安定なままで止まっている人たち。

かつての許嫁だった女性の夫がこっちへ来たことから変質してしまう望月としおりの関係性に胸が引き絞られる。そもそも歳自体はあまり変わらないけど生きた時代がおそらく全く違うんだなと思うと堪らないものがある。祖父と孫レベルだもんな、多分。

もう忘れられたくない、としおりが言ったときにこの子は彼に好意を向けてたんだな(よく考えれば普通に分かる)と思うと同時に「今まで通り、変わらないままでありたいだけなんだ」と思ってとてもしんどくなった。望月には自分と同じように決断できないまま、そして無限の時間を自分と一緒に、「変わらずに」過ごして欲しかっただけなんだなと。私が人間関係に望むことだからだろうか、寝室で語り合うシーンで猛烈に何かがこみ上げた。人はいつ変わってしまうか分からない。何がその変化の原因なのかも分からない。そのときにならないと。

それでこの返し。
「人の幸せに参加できることは、とても素敵なことだった」
本当に素敵。額に入れて飾りたい。こう生きれば良いのか、とすとんと落ちた。ああこういうところを好きになったんだろうな、めちゃくちゃ分かるという気持ちに。この澄み切った穏やかさに惚れたんだろうなあ。本当に何もかもが美しくて駄目かもしれないと本気で思った。ありがとう井浦新。

人の幸福を形作るピースになること。それが自分にとっての幸福でもあるのかもしれない。
死後に、人生の中で一つ残したい記憶を選ぶ。
そんな世界と、その案内人の話。
かなりファンタジー要素強いんだけど、意外と気にならない。
是枝監督初期作品の安定のメンバーはやっぱりいい。とても自然。
鑑賞中に、自分だったら、なんの記憶を選ぶか考えてしまわずにいられなかった。
きっとみたら、考えるはず。
知らぬ内に誰かの幸せに寄与しているという素敵な台詞にグッとくるものの単調すぎてキツかったな。
ファンタジーであってドキュメンタリー(人の人生という意味でも、映画の作り方的な意味でも)でもあって恋愛みもあって、なかなか初見ではすべて吸収しきるのは難しい。
「この映画のこの人が好き」という撮り方をしたらそれだけで演出家としては勝ちだと思っているが、本作の(小田)エリカとか井浦新とかはまさにそんなんだろう。
一番の思い出は自分だったら暫定で、大学の卒業ライブかな。
良浦新だ…
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