カテリーナ

ワンダフルライフのカテリーナのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

虚構の中にドキュメンタリーを混ぜた手法
リアリティのある映像と音響
人が話す時の声の大きさとか仕草って
こんな感じだよね、時折聞こえなかったり
劇団の人なのか?素人なのか?あまりにも自然過ぎてどうやって演出したのだろう
元々是枝監督はドキュメンタリー出身だとか、だから徹底的にリアリティを貫くのか
そこに、設定があの世と現実の世界との
境にある寂れた建物 死人が旅立つ前に
生前で一番の思い出を選んでそれを再現しフィルムに収めその映像を鑑賞したらあの世へ
行けるというのだ
その建物は古い小学校を彷彿とさせる佇まい で不思議な世界観である いつしかその虚構が本物に見えてくる
そして感情移入をし自分ならどの思い出を選ぶのかといつの間にか思案していた
自分の近い未来を想像せずにはいられない
是枝監督の仕掛けにまんまと
はまっていた(独断と偏見)

再現フィルムの作成中にパイロット志望の男がセスナの飛行訓練の最中に空に浮かぶ雲の形に拘る台詞の言い回しはまるでドキュメンタリーを見てるよう

そしてストーリーは淡々と進んで行くように見えて隠された事実を解き明かす展開が待っていてる
それは因縁とも言えるがまるで不思議な運命の歯車の導きのようにも思える
手紙を読むARATAの真剣な顔 古いフィルムに写し出された女性の横顔 なかなか思い出を選べなかった初老の男性 イラ立つ女性職員 谷啓が女性職員にそっと伝える「月の形」それ等の伏線が全て収束した後は

淋しさが残るのだ

ここに留まる事をやめてあの世へ旅立つ決意をし、ARATAがフィルムに向かい優しい眼差しを向ける先が女性職員や同僚達だった彼はここで過ごした時間を一番の思い出として選んだのだ

その答えは色々な角度で違ってみえるのだと
是枝監督が言ってるように思えたラストシーンである

少しだけ大人になった女性職員の笑顔が
清々しかった。