ねむ

ワンダフルライフのねむのレビュー・感想・評価

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)
4.5
『たった1つだけ、思い出を選ぶんですか??』

窓辺の鉢植えのお花、きれい。
お花を見てきれいだと心が和むようになったのは幾つからだったんだろ。
自分にもそうであるように、誰かがいてその人達1人1人に人生があるのを急に思い出した。
知っていたけど、すっかり忘れてたのを思い出した。

目の前にいる人を初めてパッと見て、死ぬような思いで生き延びた日があったなんてどうしてわかるだろう。
少し話したくらいで、泣くほど嬉しいことがあったとどうしてわかるだろう。
自分の人生を振り返るのは私も苦手。
良い思い出ばかりではないし、良くてもそうじゃなくても、過ぎたことだし。
だからと言って、今が1番と確信を持って言えるだろうか。自問が止まらない。
寿命が今、尽きたとしたら 自分の1番の思い出ってなんなんだろう??1番って何が基準??
責任の取り方………。
ドキュメンタリー、みんなそうなんだ。

『丁寧な暮らし』みたいなハッシュタグ大嫌いなんだけど、今のこの自分の生活の手触りとか質感のようなものをゆっくり確かめるように改めて味わってみたい、なんて思った。
この作品、少しパターソンにも似てる。(少しだけ!

追記
こんなにも音楽を必要としない映画、久しぶりだな。
ほんとに雪の中にいるときみたいだった。

あと自分もいつかの誰かの記憶のなかで生きていたいと何故か頭のどこかで思っている節があって、だから望月の気持ちも色々考えたし、逆に自分の記憶の中の人が、たった1つ以外は自分に残らないなら、それ以外の沢山の人たちを失うなんてどうなのって葛藤が生まれる気がした。

自分が選ばなかったら、その人はどこにいくのかな。
ねむ

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