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怪談蚊喰鳥の3104のレビュー・感想・評価

怪談蚊喰鳥(1961年製作の映画)
3.8
怪談の名よろしくちゃんと幽霊は出てくるが、話の殆どが欲にまみれた3人の男女間で繰り広げられる生臭話に終始している。しかしそのバランスといいオチの付け方といい全体的になかなか秀逸。下手に幽霊だ怨念だとしつこく、かつドヤ顔でやられるよりはよほど面白く、「粋」さえ感じてしまう。

二役を演じる船越英二の緩急自在のうまさと、中田康子を違和感なくそしてエロく使えている監督の手腕に感服。
部屋の奥行を映すショットが何度か出てくるが、その時のアングルや“間”に、そこはかとなく黒沢清を感じたり。

タイトルの蚊喰鳥はコウモリのこと。映画のどこにもコウモリについての言及や飛ぶ姿は見えないが、どっちつかずの態度の比喩もしくは盲目のメタファーか。
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