全国各地の歓楽街を渡り歩いているトルコ嬢(芹明香)とヒモ男(東隆明)が、自己の破綻した人生設計を見つめ直していく。トルコ嬢に対する取材パートと演者によるドラマパートが織り交ぜられている、東映ピンキー作品。
スタッフ含め15名からなる撮影隊が、北海道から九州までロードムービー形式のロケ撮影を敢行。芹明香がデビュー時の東映にカムバックしており、当人いわく「本気で男に惚れ込んでいる役柄は、これが初めて」とのこと。
取材パートでは、山城新伍がナレーションを担当。アフレコ音声だが、当時の空気感が映像に封じ込められている。「性を売らなければならない女性を、如何にして受け入れるべきか」というテーマを盛り込んでいくスタイル。
一方のドラマパートでは、トルコ嬢の取材内容をベースにしたキャラ設定とゲリラ撮影の妙を楽しむことが可能。「癒やしを与えてくれる存在」を欲する心理が精緻に描かれており、得も言われぬほどの哀感に包まれる。