タッくん弐

シド・アンド・ナンシーのタッくん弐のレビュー・感想・評価

シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)
3.6
その昔「ぼくパンクロックが好きだ」と躊躇うことなく公言した甲本ヒロト氏

当時は現代より情報も少なく浸透しづらい状況であったでしょうからきっとパンクスと云うと今作のテーマで或るセックスピストルズ

素行の悪い鋲ジャンの輩を連想させお世辞にも良いイメエジではなかった事が予想されます

その中で斯様な発言はとても勇気の要る事でもあったでしょう

元KAT-TUNの田中聖さんは事務所退所後新たにバンドを結成しテレビ出演した際にはシド・ヴィシャスからの影響を述べました

『NANA』と云う矢沢あいさんの少女漫画ではメンバー募集する際「ベース募集! (セックスピストルズとか…)」と貼紙に書きました

恐ろしいのはマルコム・マクラーレンの下位互換みたいな人がこの日本には数多存在し、その手腕によってデフォルメされた純粋な事柄や現象が実に手軽に万人が楽しめる形に変化

既に形どころか根本的な信念をも持ち得ない状態にこの現状を楽しめるかどうかは個々の受け取り方にもよりますが、定義される事すら拒むのがパンクスで或るならば如何に思うでしょう

ちなみに先述の田中聖さんはバンドではベースでなくボーカルを担当

『NANA』のバンドはパンクスでもない美しいヴィジュアル系バンドです

ただ唯一、今作においてデフォルメの重要性を強く感じたのはナンシー・スパンゲン役の女優はほとばしる程ブス狂おしい程ブス

実物の本人の方が可愛らしいと云う稀有な例の配役、不憫な再現

其処だけは今で言う秋元康・大先生のお力を持って何とかならないもんか

つまりTOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIEって事です

ときめきが消せやしない
いま、あなたに伝えたい
タッくん弐

タッくん弐