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ファニーとアレクサンデルのditaのレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
4.0
@第七藝術劇場 ~ベルイマン生誕100年映画祭~  

素晴らしき映画体験。どこを切り取っても芸術的なのにわかりやすくて、映像にも物語にもぐんぐん惹き込まれた。幼稚という意味ではなく、子供だからこそ見える事象や真理が大人のわたしの心にスッと入ってくるのが凄い。

アレクサンデルが「神はこれくらいじゃ怒らない、逆にこれくらいで起こるのは嘘の神だ」みたいなことを言うてて、これってめっちゃ子供っぽい考えと見せかけてかなり真理だと思う。
仕事で神に仕えし偉い人とかかわっているけど、あなたの神様はそんなわがままで怒りっぽいんですか?と突っ込みたくなる性格の人が多いし。

あと、前半の男のダメっぷりがいちいち面白いけどこいつらホンマにダメやなとため息をつきつつ、それを包み込む女の情に心当たりがあり過ぎて辛い。どうしようもない男ほどなかなか離れられへんよなぁとしみじみ思った。少し女性を神聖化しすぎかなとも思ったけど。いや、わたしの器が小さいだけか。

第一部こそ少し長く感じたものの後半は二時間以上あったのかと思うくらいあっという間で、ベルイマン恐るべし。残りの作品も楽しみ。

(全然どうでもいいけど、アレクサンデルってアン・ハサウェイに似てるなと思って大人になったアレクサンデルを検索したけど全然アン・ハサウェイじゃなかった)
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