あんがすざろっく

ユージュアル・サスペクツのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
5.0
さて難しい。物語の筋に極力触れずに、どうこの面白さを伝えるか。大筋としてあるのは、警察の取調室に集められた、5人の常連容疑者達が巻き込まれる事件を描くサスペンスだ。これ以上はできるだけ、何も知らないで見る方が良い。日本に上陸する前からその評判は映画ファンの間で持ちきりになっており、満を持しての劇場公開だった。僕も銀座の劇場に足を運んだ。まずパンフレットを買うと、ご丁寧にも封が閉じられており、「作品を見終わってから開けて下さい」とのこと。確かにこの作品には、その必要があった。映画が終わると、誰からともなく出るのは、溜め息ばかり。観客は作品が用意した謎解きとトリックを見破れずに、見事騙されるのだ。しかしこの作品が凄いのは、一回見ただけでは、その魅力が伝わりきらないことだ。劇場公開の際に、本作はリピーター割引なるものを企画し、一度鑑賞した人がチケットの半券を窓口で提示すれば、2回目以降は1000円で鑑賞できた。多分このリピーター割引は、相当な反響があったはずだ。僕も2回劇場に足を運んだわけだが、一回目は騙される快感を堪能し、二回目は、作品の随所に張り巡らされた謎解きの伏線に、驚かされるのだ。巧妙なストーリーテリングと、完璧なまでの脚本に、観客は振り回される。インディペンデント系の作品ながら、本作がこの後の新しい映画の流れを作ったのも頷ける。役者も通好み、ケビン・スペイシーは本作でアカデミー助演男優賞を獲得している。おっと、これ以上書いてはいけない。 まだご覧になられていない方は、まずはご自分の目で、その魅力を確かめて欲しい。
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