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ユージュアル・サスペクツのCureTochanのネタバレレビュー・内容・結末

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

どんでん返しのある映画、とかのリストに出てること自体ネタバレであり、ひどい話だ。ただケビンスペイシーが賞を取ったりスターになったことによって、制作者たちの当時の工夫はいまやおじゃんになっているのも確かだろう。それでいうと、主演ではなくあくまで助演男優賞を与えたアカデミー賞はちゃんと配慮してたとも言える。この話のキモは、いったい誰が主役なのかだからである。

ケビン・スペイシーがまさにスターとしてキャストされたスーパーマン・リターンズはショボかった。本作も、時間が前後してややこしいと感じるのは演出の力不足もあるだろう。ただ画面に日時が表示されるとき、以下は客観的な事実、つまりミステリで言う地の文になり、されないときはウソの混じった回想になっている。脚本的には情報の出したかはそこそこ考えられているのだ。

ケビン・スペイシーの語りが全部ウソだと勘ぐる人もいるが、調査官だっていくばくかの情報を持ってるはずである。観客が、おおむね彼の話を疑えない理由もそこにある。それでいうと、犯罪者たちがはじめから互いを知らないでもない感じ、特に当初の主役であるアイルランド人の役者とケビン・スペイシーの友達みたいな関係はミスリーディングである。ただここも演出が足りないから、変な解釈がでてくるのではなかろうか。

とにかく優れたシナリオではあるので、いまや監督とケビン・スペイシーという少年レイパーたちのコラボレーションとして記憶されちゃうのは残念である。
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