140字プロレス鶴見辰吾ジラ

サンダーバード 劇場版の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

サンダーバード 劇場版(1966年製作の映画)
3.5
サンダーバードに出会って
”人生”が始まったと思っている。

子供の頃に
戦隊ヒーロー
仮面ライダー
ウルトラマン
そして、ゴジラ
さらにはガメラ
色々なものに夢を、憧れを見たけれども、私のアイデンティティーのすべての始まりは
”サンダーバード”に他ならない。

たかが人形劇でなく、スリリングなパニック描写や人間の業を写した災害シーン。そこに颯爽と現れる国際救助隊。
夢のあるメカ、心底没入できるギミックの数々に幼き日の私はオモチャを買ってもらいサンダーバードごっこに明け暮れた。

ファイヤーフラッシュの危機
太陽ロケット号
世界一高いビルの火災
原子炉の大爆発
エンパイヤステートビル倒壊
巨大ワニの襲撃
旅客機の胴体着陸
海上ステーション
宇宙ステーション

何もかもが”トキメキ”そのものだった。

劇場版は火星に向かう異星人上等のSFパニックであることに笑いが隠しきれなかったが、ZERO-X号の巨体が離陸するシーン、墜落するシーンは圧巻に他ならなかった。

たとえ人形劇であってもこだわりぬいた特撮の美学や夢を与えるアイデアの数々が何より楽しかった。

以前、町山智浩さんのラジオ?か何かで「ゴジラvsサンダーバードが見たい」といつリスナーからのメールに、町山氏は「ジャンルが違うからありえない」と返答していたが、「シンゴジラ」のヤシオリ作戦にて、高圧ポンプ車のアームが高速展開するシーンに”ゴジラvsサンダーバード”を見て、幼き日のアイデンティティーが天体衝突のように交差するのを目の当たりにして涙が溢れてしまった。

人形劇でありながらも
”虚構と現実”を高い水準で交差させた特撮の金字塔であると信じてやまない。

現在、NHKで放映中のリブート版も不定期ながらも放送を楽しみに待つのである。

映画自体の感想ではないが、同じくサンダーバードに幼心に火を灯された人に何か感じてもらえればと思う。