真世紀

コララインとボタンの魔女の真世紀のレビュー・感想・評価

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)
4.2
少女コララインが越した屋敷には秘密の扉が。その向こうにはこちら側とそっくりな世界。でもこちらとはうってかわって魅力的なパパ、ママ、隣人達がおいしい料理や陽気な演奏、さまざまな芸でもてなしてくれる。ただ不気味なのは皆、目がボタンになっていること…。向こう側のママは語り掛ける。「ずっとここにいていいのよ、でもあなたも目をボタンにしましょうね」。

「ナイトメアー…」や「モンキーボーン」のヘンリー・セレック監督、こだわりの人形を全編手作業で動かしてのストップモーションアニメがかつ3Dで展開。カメラワークも自在。あまりに作り込みが過ぎて本来なら切り捨てて戻ってこなきゃいけないはずの向こう側の世界が魅力的過ぎる(笑)。

主人公コララインは自分の名前がキャロラインと間違えられるのに絶えず抗議しているような、負けん気あふれるけど、根は淋しがりっ子。万人受けする美少女では到底ないひょろりとした鼻筋とちょっと曲がった口元が実はセリック監督似なのがまたおかしい。でもこういうキャラだからこそ、自分も疎外感ある子の心には寄り添うと思うよ。

あと劇場の都合で吹き替え版しかなくてそっちで観たけど、オリジナルのコラライン役の声はダコタ・ファニング嬢でないか!先に知ってたらオリジナルで観たよ。

3D作品初めてのこともあいまって展開する場面に目を奪われる、創り手の愛情があふれすぎにあふれる作品だけど、「コララインの髪の毛の動きも、モデルアニメ史上初めての試みだと思う。あそこまで動くものはね。(略)ベッドの下をのぞき込む場面は特別で、ものすごく細かく動かしているからね!」(監督の映画秘宝インタビューより)と迫られちゃうとさすがに座布団もぞもぞ「あ、あ、そうなんですか、すごいですねぇ…で、そろそろおいとましないと」という気分になるけど(爆)。ビバ、妄想爆烈職人魂!
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