しらす

砂の器のしらすのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
3.5
橋本忍さんの脚本術にうなる
日本を代表するミステリー映画
野村芳太郎監督
橋本忍脚本

「砂の器」

橋本忍さんのドキュメンタリーを観た記念で。
映画における脚本の力って、判断が難しいですが‥
そもそも脚本通り映画撮ってるのか?という問題もありますしね。
橋本忍さんの脚本力ていうのはやっぱり凄く!どの作品も映画の世界に引きずり込む力の様なものを感じますね。
特に虐げられる人々の物語をベースにすると熱が入ってる気がします。

松本清張さんの原作を映画にするにあたって、橋本さんが足掛かりにしたのは原作では数行しか書かれていなかった親子の放浪の旅を拡張する事だったそう。
映画の後半で“宿命“と共に長尺で描かれるあのシーンですね。

これで映画になるぞ!と光明が刺したそうで。

小説という媒体と、映画という媒体の違いを感じるエピソードですね。

まあ、正直後半のそのシーンまでは間延びが多く退屈なシーンも‥当時の日本の風俗を観るには面白いけどね。
あと、ちょっと緊張感のない捜査もね。

ラストの切れ味は良い!
映画はこれくらいバサっと終わって欲しい。
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