本作は松本清張の最高傑作であって、それを見事に映画化されたとあって、原作ファンとしてはこんな喜ばしいことはないです（昔やってた中居くん主演の連続ドラマもなかなかよかったですけどね）。
長い原作のエピソードをコンパクトに脚本化した手腕は見事だし、キャストの芝居も素晴らしい。そして「宿命」というオーケストラの楽曲をバックに事件の真相と犯人の生い立ちが描かれるクライマックスも感動的なのです。
モノローグで真相を描いた効果は素晴らしいとは思うのですが、被害者がどのような気持ちで彼に会いに行ったのか、彼はどのような気持ちで恩人を殺したのか、犯人の心象が描かれないのが残念で。まぁ痛し痒しという感じですかね。
