Sakura

砂の器のSakuraのネタバレレビュー・内容・結末

砂の器(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

記念すべき600本目🎉

音楽が良すぎて…
本当に彼が魂を込めて、宿命を注ぎ込んだかのような
良すぎて回想シーンが余計しんどい

ハンセン病について全く知らなかったけど、そんな時代もあったのだなと(間違った知識、差別、隔離等)


彼は砂の器を作って、父と暮らしていた頃も幸せだった。
お前が引き離した癖に何を今更と、綺麗事を並べるだけで差別を受ける側の気持ちなど理解しようにも出来ない筈の三木に怒りを覚えて仕方がなかったのだろう。

動機は明確には言及されていないが、私にはそう思えた。

彼はとっくに父に会うことなど諦めていて、かつてはよほど探し回った過去もあるかもしれない(し、無いかもしれない)が、何にせよそこに一番深く関わっているのは三木だった。

彼が二十年も苦悩してきて導き出した結論を、言わば外野であり彼と父を引き離した張本人である三木にだけは、崩されたくなかったのであろう。

真っ直ぐに育ち、誰もが認める正義漢な三木には、分かる筈もない心情なのである。

なんと悲しい物語だ。
これは、大傑作。


彼が「子供だけは産むな」と言ったその中には、どんな感情がこもっていたのだろうか。
幸せに生きてきた私には推し量れない程の絶望と、自らの宿命に対する戒めのようなものが混じっていたのだろうか…

#宿命
#生まれてきたこと、生きていること
Sakura

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