砂の器の作品情報・感想・評価

「砂の器」に投稿された感想・評価

AI

AIの感想・評価

3.7
映画において音楽がいかに重要か教えてくれる傑作邦画。和賀英良の演奏と今西刑事の報告、親子の回想シーンがクロスしクライマックスへと向かう演出は脱帽。ハンセン病問題にも及んだストーリーは社会的意義も含んでおり、これまで過去5回のテレビドラマ化も頷ける名作だと言える。
個人的には
刑事の執念が
ある意味、救いで
そこが好きな映画。
餅

餅の感想・評価

4.5
2019.6.15
なべ

なべの感想・評価

4.0
いま観てもやっぱりよくできてる。
身元不明の殺人事件を捜査する前半もクールなタッチでなかなかいいが、やはり白眉は40分にわたるクライマックス。
逮捕状請求のための捜査会議とコンサート、父子の巡礼が同時進行で描かれる後半は、前半とはうってかわってウェットでセンチメンタル。日本人のDNAにエモーショナルに切り込んでくる(人によっては濃すぎてクサいと思うかも)。
オーケストラの演奏をバックに描かれる巡礼シーンは、原作では触れられなかった映画独自のものだ。ほとんどセリフなしで綴られる迫害と蔑みに満ちた旅は、もう泣ける泣ける。加藤嘉の横顔だけで泣けてくるからね。秀夫が線路を泣きながら走ってくるところや、千代吉が息子じゃないと否定するシーンで涙腺が決壊しましたわ。
そもそも松本清張の原作では犯人は出自の秘密を隠滅するために殺人を犯すのだが、映画はそんな単純な動機にしていない。いろんな思いが交錯する複雑なものに仕上げてる(思い当たるミステリーといえば高村薫の照柿もそうか)。これはすごい。原作超えの映画化なんてそうそうお目にかかれない。
動機は強いて言うなら三木巡査(緒形拳)が真面目で正しすぎたから。
原作では父親は亡くなっているが、映画では生かしている。この父親に無理に会わせようとしたのが犯行の引き金だ。

「会えば今やりかけてる仕事がいけんようになるなんて、なんでそげなこと言うだらか。たった1人の、それもあげな思いをして別れた親と子だよ。儂はお前の首に縄、縄引っ掛けてでも引っ張って行くから、来い一緒に。秀夫!」
なんたる破壊的なやさしさ。

世界から孤立してふたりぼっちだった親子を正しさで引き離しておきながら、今度は正しさで会わせようする三木巡査の正しい真摯な言葉。和賀にしてみりゃ三木老人の正しさにはうんざりしただろう。
せっかく和賀が会えない父親を作品の中に結晶化しようとしてる最中に、無理にでも会わせるなんて、モチベーションが下がるどころか制作不能なんて事態も招きかねない。それじゃ音楽で父親に会えなくなってしまう。現実に引き離しただけじゃなく、想像の世界もあんたは奪ってしまうのかってそりゃ殺意も湧くわな。まあ、三木巡査には、殺されるその瞬間まで、いや、死んだ後もその正しさとやさしさが原因で殺されるとはまったくわからないんだけど。

今回改めてみて、少年時代の秀夫がいい演技してるなと気づいた。眼差しがいい。父親への愛情と世間への怒りしかない秀夫の世界をよく体現してた。父親と別れてから三木巡査の家で過ごす彼が、幸せを恐れるのは無理もない。父親を思うと自分だけが幸せになるのを罪と感じてもしょうがない。いや、むしろ三木夫妻への愛情の芽生えを感じたからこそ、出奔を決意したはず。さぞ苦しかったことだろう。

元浦千代吉は浮浪癩である。当時はハンセン氏病は強力な伝染病と思われていて、ひとたび感染がわかると町ぐるみで追い出し、この世に居場所をつくらせなかった。この病気を治療する医師や看護師でさえ親類から縁を切られたってくらい壮絶な差別がまかり通ってたんだけど、だからこそ成立する世界観であるわけで。国を挙げてハンセン氏病患者に不妊処置を施したのなんて、悪魔の所業以外の何ものでもないのに、疑問すら持たれなかったってんだから、いかに差別が苛烈だったか想像できる。いや、ぼくの想像なんてほんとは露ほども理解できてないんだろう。それを思うとこの映画はほんと苦しいわ。和賀の気持ちがわかる、千代吉の気持ちがわかるとは簡単に言えない厳しさがあるのだ。せいぜい三木巡査の思いやりのある正しさがわかるのが限界。
残念だけど、ハンセン氏病への差別を描かないリメイクが、ことごとくこの作品を越えられないのは当然なのだ。
タケ

タケの感想・評価

4.0
昔、ドラマを見たけど、この映画を観て、これまで何回もリメイクされている理由がわかった気がする。親子二人で過酷な旅をしなければならなかった理由が、やっと納得できた。これ以上のものはリメイクではできないだろう。
最後の約40分のほぼ映像と音楽のみで進む構成は素晴らしかった。美しい日本の風景の中、ひどい迫害を受けながらの過酷な旅、二人が歩んだ道のりが、胸を打つ音楽と共に描かれる。こういうのは映画でないと表現できないかな、と思う。
中でも、旅の途中、二人で楽しそうにご飯を作って食べてるシーンが印象的で泣けてくる。
「宿命」は辛くともかけがえのない父との記憶である旅、会いたくても会う事のできない父を想って書いたものなのだろうか。それが映像と曲から伝わり、大きな感動となる。
素晴らしい日本の名画だった。
y

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3.8
最近の邦画はイマイチなの多いけど昔の邦画はいいもんだな〜〜

「宿命」が流れて、放浪のシーンがはじまる
台詞がないのになんでこんなに泣けてしまうんだろうか、、

中居くんのドラマ版も評価高めなのでそちらも見てみようかと
凡努

凡努の感想・評価

4.2
砂の器
とある殺人事件から始まるストーリー。
徐々に見えてくる、被害者の人間性。どうやら恨まれるような人間ではない。何故殺されたのか…誰に殺されたのか。
それが明らかになり、その犯人の過去を知った時、胸が痛くなる。

コンサートシーン、回想シーン、警察側の報告という三つを交叉させていく後半の構成は見事だった。
セリフがなくても、彼ら親子の悲哀が上手く描写されている。

ハンセン病という存在を今まで知らずに生きてきた自分は新たな知識を得た。

人間社会の差別は未だに終わりを迎えない。少しでも、様々な偏見に悩まされている人達に救いがあればと改めて感じた。
Tomo

Tomoの感想・評価

4.2
序盤は推理一辺倒と思わせといて、終盤で一気に色を変えて親子愛にシフトする。素晴らしい脚本で名作映画とはこのことと思わせてくれる映画でした。映画は映像の美しさもあるかもしれないけど、それはあくまで数あるファクターの1つで、本質はストーリー、そしてそれを表現する演技力ということを実感しました。原作読んでないですが、駆け足でまとめたんだろうなァというのは伝わってきました。原作とかドラマ版とか見てみたいですね。
TOM

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3.8
リメイク版も観たけどよくあの新聞のコラム?見て疑いかけられるなとかいらん先入観持ってしまう。こんなに捜査がうまくいくんかい。笑
でも運命と宿命の違いにゾッとしたし、捕まらないで欲しいなんて思ってしまった。やられた
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