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戦争のはじめかたのキューブのレビュー・感想・評価

戦争のはじめかた(2001年製作の映画)
3.0
 米軍があれやこれや駐在先で色々している話を皮肉たっぷりに描いた映画がコレ。ホアキン・フェニックスの冷めた演技がこの映画の持つ皮肉的な面白さに拍車をかけている。周囲の人間もその雰囲気には一役買っている。エド・ハリスなんかはある意味戦争が持つ狂気を体現していて、かなりトンでる。だから笑えるけど、ハラハラさせるようなシーンもあって普通の戦争映画(というか戦争してるわけではないが)とはひと味違った印象を覚えるだろう。
 だがこの映画は切実なメッセージは何一つ持っていない。デービッド・O・ラッセルの「スリー・キングス」は笑えるシーンもあるが、あまりの残酷さに目を背けたくなるようなシーンがある。そして確固たるメッセージを持っていた。確かにこの映画は戦争がない軍隊を描いたという点では斬新であろう。だがアメリカ軍の間抜けさを皮肉っぽく笑うだけで、どこにも訴えかける物がない。
 コメディとしては楽しめるが、風刺映画としては落第点だ。
(11年7月16日 BS 3点)
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