ナガノヤスユ記

ワン・プラス・ワンのナガノヤスユ記のレビュー・感想・評価

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)
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赤狩りにスターリニズム、マオイズムやネオナチ、公民権運動にベトナム戦争、その諸々の反動やフェミニズムの高まり、帝国主義への反省と冷戦世界といった戦後の歴史的事象に、ストーンズによるブルースの発掘とロックンロール草創の一端を並列させる試みを、無謀な絵空事とみるか文化史更新への果敢な挑戦とみるか。結局どちらも大差ないだろうけど、新しいものが生まれる時の紙一重の気配が漂う。音楽は早熟。その歴史の「速度」にゴダールは人一倍の魅力を感じていたに違いない。いや、知らんけど。