おざわさん

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのおざわさんのレビュー・感想・評価

4.3
【9.11同時多発テロで最愛の父親を失った家族の再生の物語】
実はこのタイトルとジャケ写を見て「ホラー映画かな?」と思って、これまで観ていませんでした笑。

それが同名のベストセラー小説を元にした作品という事や、大好きなトム・ハンクスが出演していること。
サンドラ・ブロックが生涯一の演技をしているであろうことも、アカデミー助演男優賞にノミネートされた祖父役を差し置いても、オスカーを演じたトーマス・ホーンの初めてとは思えない演技に痺れた!

途中まで余りに胸が痛過ぎて辛かったストーリーが「鍵」の行方で更に凍りつきそうだったところが、母親の愛によって優しく暖かに溶けてきて号泣。
全てはこのテロを包む人たちの愛に包まれていたことを知って、また号泣。
更にはオスカーの手紙で涙腺崩壊。。。

でも最後まで「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」の意味が掴めずにしばらく放心。
そこから思ったのはアスペルガー症候群を患うオスカーにとって、父親以外の全ての声や存在がそうだったこと。
そしてそれを初めて越えて近づいてくれたのが、声を出せない祖父だったこと。
更には母親が敢えて声を掛けずに、あり得ないほど近くで見ていてくれたこと。

全てのものへの感謝と愛が溢れて胸が痛い、そんな作品でした。