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ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのtontonのレビュー・感想・評価

3.9
原作物という事で、きっとアルファベットや数字を使ったタイポグラフィー的な謎解き要素など、文字で表現するものがあったのだろうが、それが上手く表現できてないというかすっ飛ばしていたので、主人公と共に作品内の空気感を味わうというより、主人公の後を追うようなタイムラグを見ながら感じでしまうのが残念だった。
でも、なんだかんだで、泣けた。
ストーリーの展開も、先のすっ飛ばし感はあったが、独特の童話の様な雰囲気が心地よく、CASTではこの少年のオジイサン役をやっていた俳優さんが超渋くてかっこいい。
それと主人公がアスペルガー症候群とはまではいかないまでも、軽く健常者とは違う少年で、色々なものを恐怖に感じ、それを無くそうといれる情報もまた恐怖になる感じっていうのは、凄い分かるというか、いわゆる障害てきなものは持っていないけども、自分も全てを恐怖に感じる子供で、それがそのまま成長したような部分があるので尚更。

ただ、そんな少年が独特のコミュニケーション能力で色々な人と接するとこにチョットいらいらして

「お前、そんなんじゃ、誰も話聞いてくれないぞ。いいのかぁー。」

って気分にはなったけどね~。

んでこの映画における9.11の扱い方。
その時ニューヨークにいた人間が共有する 絶望・恐怖・痛み またそれから派生する 思いやり 優しさ。
そして、それぞれにだけ存在する後悔。
そこらへんは物凄く丁寧に描いていた。
特に「死」というものを、そんなあり得ない事件で失われた命と普通の「死」を対比させて描く事によって、少年が失った父に対する感情を受け入れやすくし、またそこから少年が出会った人たちの感情を理解していくという手法は素晴らしかった。
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