maki

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのmakiのレビュー・感想・評価

3.7
9.11やドレスデン爆撃の話など、罪のない市民が巻き込まれた悲しい出来事と残された者の苦しみ。なぜ、どうして、と問うても、答えにはならない。
だから、答えを明らかにすることよりも、過程=結果に行き着くまでの時間・考えたことや人との出会いが大事。そこから感じられる想いこそが、答えのようなものなんだろう。

「みんな何かを失っていたよ」という探検を終えたオスカーの言葉は、どこか悲しさは漂うけれども、それ以上に、彼が出会ったたくさんのBlackさんに想いを吐露し、オスカー自身も一人一人が持っている悲しみを知って、一人じゃないと思えたのかもしれない。

タイトルの意味するところの難解さ(いまだによく分からない)、「notstop looking」(字幕:探すの「が」やめない)という誤植としての表現と言葉の意味、これらの関係の解釈、調査報告書のWTCビルに施された動く絵本の意味など、
いろいろと複雑で、細かいところを見ていくとよくわからないこともあるけれど、ちょっとスローな前半は、Blackの謎が解けないモヤモヤ感をオスカーと一緒に感じるし、明かされる母親の想いは感動。


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9.11は、当時たまたまNHKのニュースを母と見ていたので、liveで映されたあの映像は忘れられないくらい衝撃的。何が起こっているのかわからないその混乱の渦中に、遠い日本にいながらも巻き込まれた感じだった。
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