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この空の花 長岡花火物語のRIOのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
4.0
19450720
なんであの時皆が
死ななければならなかったのか
知られないまま
忘れられてしまう話
長岡から世界へ向けた随想録

目がチカチカするような暑い夏
その空を切り裂いて落ちてきた
ファットマン

松雪泰子の深い眉間が気になってたけど
段々にその暗さが暖かさに変わっていった

長岡に落とされた模擬原子爆弾の空襲
それから時を超えて中越地震
日本と原子力との関係

亡くなられた人達へ贈る花火
祈りの花火

花火の作り方の話は上がる!
花火師 野瀬清治郎が語る
「ゆっくりと開く花火を作るのが好きだいねぇ
人の気持ちを優しゅう引っ張ると思うからいのぅ
昔は何でもゆっくりやった…」
ホンモノ出てきた
榎本明の語りが良かった
丸ごとメロンかぶりつきたい!

日本人だなぁと感じる大林宣彦監督
安堵感があるんです

同じ人間の手が花火も作るし爆弾も作る
悪魔と天使

一見関係ないようなものを複数の人の言葉で
紡ぎながら関係を持たせていく
この構成が堪らない
く、癖になるほんと好き
世界の寂しい隙間を埋めるのは想像力
この雨痛いなっていうセリフ好き

経済戦争に入ってから本当に
今まであった日本の姿が消えていく

不穏な空気を醸し出す色使い
ゲリラ的に襲ってくる映像
夏の最後に思い切り花火を浴びれた
きれいでした

「野のなななのか」「花筐」
戦争三部作の第1作目
大林宣彦監督が全編デジタル撮影で製作した初作品
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