HidekiIshimoto

この空の花 長岡花火物語のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
4.0
大林作品史上最高レベルのすっ飛び方と聞いてあわてて観たんだけんど、もはや大して驚きもせずフツーに涙して観てた私はもう脳が作風に麻痺してしまったか、或は色即是空をついに体得してしまったか、或はいくらすっ飛んでても驚きもしない夢の中でと同じように映画を観てしまってるかのどれか。確かにこの監督はずっと夢見のように映画を撮ってきた人。でこれは監督が翁になりこれまで以上に素直に、率直な作法でつくった作品なんだろう。起きて見る夢、みたいな想像力の凶暴さに人はたじろぐのだけんど、少なくとも退屈はしない。できない。常識や秩序は脳の外のもんで脳内にそんなもんねーよとばかり凶暴な脳内絨毯爆撃を夢の率直さで表現する大林翁の顔はいつもニコニコ平和そのもの。戦争起こすのはだから夢見の作法を何一つ持たない退屈した者ら。