ほしの

この空の花 長岡花火物語のほしののレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
4.0
わざと、いちいちつけられる字幕のせいで、パワポのスライドみたいだなぁって思って見てた。大林宣彦によるプレゼンやねー。ネタ振りがしっかりしていて、イメージを誘導するのがうまいと思った。

ずっとパワポだなぁと思っていたら、紙芝居出てきたから、「パワポって紙芝居やん!」って思った。

演劇とその練習のシーンはビジュアル的に面白かった。最後の花火は圧巻。あと、大林宣彦監督は暗闇を推すね。

パワポ資料をうまく作るためには、技術が必須だな、きちんと勉強しなきゃって気づきを得た。

情報量が多いっちゃ多いけど、念押しみたいに1つの事柄への過剰説明が主だったと思うので、ただただ量が多いような印象。それでもすごく疲れたけど。

こんな映画を作ることができる大林宣彦の能力や立場に、すごいなと思った。それは本当にめちゃくちゃすごいと思う。

今作は、自分には、ベタな演技がくさすぎてついていけなかった。

戦争について、個人を無視して人間を「量」で捉える考え方に対して、感情を想起させることで個人としての人間を復活させる。この対立構造の提示はほとんど無力だと思う。ただ循環するだけだから。もっと違う視点が見たかった。エロール・モリスの「フォッグ・オブ・ウォー」とか見てると、いかに「量」で捉えるやり方を人間が発達させてきているかがわかって、だから、理詰めで焼夷弾なのかと今作でもう一度思った。ナイーブさにもっと理を加えた反戦が見たい。

今作を娯楽映画として、成功させたのがシン・ゴジラ⁈ あっシンゴジラは人間を量≒記号で捉える映画だ。ダメじゃん人間。循環してる。
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